水窪町では、地域のローカルな情報収集に浜松市の同報無線(いわゆる町内放送)を活用していましたが、1年ほど前に実施されたシステムのデジタル化に伴い、発信される情報のメインが防災や緊急情報に移行してきました。

これまでのようなローカルな情報はどこで得ればいいの?
地域住民からあらゆる場所で、「元の同報無線に戻してほしい」という声を聞くようになりました。水窪町での小さな行事やイベント情報が回覧板頼みになってしまったからです。
回覧板が回るならいいのでは?と思うかもしれません。でも、水窪の人たちは、「早く次に回してあげないと!」と気が急いたり、老眼により字を読むことが億劫になってきた人が増え、回覧板は「読まずに回す」人がとても多いそうです。
デジタル化という華やかな時代の変化。でも、新しい仕組みについて回るのが「新しい課題」。すでに表面化していると感じています。
水窪町文化会館では、生涯学習としての「デジタル学習」を通して、地域のデジタル推進を支援しています。何とかできないでしょうか?
民間による情報発信へ

よかっつら水窪では、LINE公式アカウントを活用したローカル情報の発信を始めることにしました。
「水窪くらしの情報局」です。
LINEを使っていない住民には解決になっていないとお叱りを受けそうですが、水窪町ではその点を補う、スマホ操作を学ぶ活動を別の団体がやってくれています。
そして、その団体の後ろでは「誰一人取り残さないデジタル推進」に本気で取り組む「浜松市デジタルスマートシティ推進事業本部」や、スマホ活用の専門家ががっちりサポートをしてくれているようです。「産」「民」「官」がしっかりタッグを組んでいる様子を見てきたので、よかっつら水窪でもLINEによる情報発信について相談させていただきながらスタートしました。
運用が無料ではない点が苦しいところではありますが、2022年度7月からのモニター実証実験を経て、2023年3月より本格的な運用を始めました。
水窪暮らしの情報局の良さと不便さ
一番便利なのは、スーパーをはじめ、地元商店の特売やイベント情報が発信できることでしょうか?モニターさんから一番多かった要望がコレでした。同報無線は浜松市が管理運営していますから、営利目的の企業さんの情報は出せません。
同報無線のように聞き逃したらアウト!ということもなく、町外に出かけていようが畑仕事をしていようが、手元に情報が残り、いつでも読み返すことができます。
ユニバーサルデザインにも配慮しています。高齢者が多いということは、老眼率も高いので、同報無線のように音声でも聞くことができるようにしました。文字情報の方が分かりやすい方は、添付したチラシを拡大して読むこともできます。
情報を出す団体さんなどにとっても、依頼されてから3営業日以内に発信されますので、回覧板や新聞広告への出稿のように入念な計画性は必要ありません。出稿の方法も複数あり、いちいち文化会館まで出かけていただく必要もありません。
不便なこともあります。
そもそも、町民の全員がLINEを使えるわけではない、というところが一番大きな不安材料です。これについては、「誰一人取り残さない」デジタル推進に取り組む人たちの本気度に大きな期待を寄せています。私たちも、水窪くらしの情報局を運営する中で、地域の皆さまからの要望やご意見をお伝えすることで協力していきたいと考えています。
水窪町らしいデジタル推進のスタート
高齢者が6割を超える水窪町でのデジタル推進では「誰一人取り残さない」仕組みづくりは本当に大切で、たぶん大変です。
そのためには、サポートする側も、してほしい側もきちんと思いを伝えあうことが大事になると思います。
そして、できる人ができることを担い、「同報無線を返してくれ」という悲痛な叫び声が聞こえない町にしていきたいですね。
頑張って楽しい情報、便利な情報を発信していきますので、どうぞ有効に活用してみさくぼの生活を楽しんでください!

